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「仏の手

The Hand of Buddha (2017)

Concept

『万葉集』と比較したとき、『古今和歌集』の和歌には、平安貴族たちの仏教的な無常観が反映されていると感じます。

特に恋歌はその傾向が顕著で、『万葉集』時代の素直な詠みぶりと比較して、『古今集』では、春の桜が象徴する二人の恋は開放的な芽吹きの喜びではなく、やがては散ると知りながらも賞翫する、というような無常観や儚さを根底に共有しています。

一見すると典雅な彼らの価値観や美意識の奥底に、なんとも物憂い儚さや無常観があることを、仏の手印と唐草模様で表現しました。

Inspiration

『古今和歌集』

 平安前期の勅撰和歌集。醍醐天皇の勅命による。「もののあはれ」といった後の国文学の発展を方向付けた。

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