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藤原敏行朝臣 和歌「白露は」

  • 執筆者の写真: 青木静香:Visual Artist
    青木静香:Visual Artist
  • 2019年2月26日
  • 読了時間: 1分

藤原敏行朝臣(生没年不詳)は、平安時代前期の歌人。書家。貴族。三十六歌仙のひとり。季節の移ろいを発見する和歌など、知的な五感が美しい。

藤原敏行朝臣 和歌「白露は」


白露は色をひとつをいかにして秋のこのはをちぢにそむらむ


​私がそこを訪れたとき、夜露にしっとりと濡れそぼった山野の草木は、秋の色をまとってあらゆる紅葉となっていた。

いったい、この露というものは、人の目には白一色にしか見えぬが、どのようにして、青々としげっていた草木を燃える千の色に染めだしたのだろうか。

​白露=透明な白色の印象が、秋のこのはという言葉とともに一変し、あざやかに燃え盛る紅葉の色となる。「ちぢ」は千々であり、燃え滾る炎の音でもある。

 

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