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白露は色をひとつをいかにして秋のこのはをちぢにそむらむ
私がそこを訪れたとき、夜露にしっとりと濡れそぼった山野の草木は、秋の色をまとってあらゆる紅葉となっていた。
いったい、この露というものは、人の目には白一色にしか見えぬが、どのようにして、青々としげっていた草木を燃える千の色に染めだしたのだろうか。
白露=透明な白色の印象が、秋のこのはという言葉とともに一変し、あざやかに燃え盛る紅葉の色となる。「ちぢ」は千々であり、燃え滾る炎の音でもある。
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