清原深養父 和歌「冬ながら」
- 青木静香:Visual Artist
- 2019年2月26日
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清原深養父 和歌「冬ながら」
冬ながらそらより花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ
今は花のないはずの雪に閉ざされた冬でありながら、空から六花のかけらがちらちらと降りおちてくる。ははあ、なるほど。あの灰色にみだれた雲の向こう側はもう春がきているのだろう。
昨日と変わらぬ寒々とした景色のなかに、かすかな春の予感を期待する歌。
雲の向こう側では、すべての四季が大風にのって行き交い、地上に降り立つ日を待っているのだと考える。
深養父らしい、天象への親しみがこもった和歌である。
私は彼の感受性が好きだ。
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